「けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム」実証プロジェクトでは、需要家と連携しつつ、地域全体のエネルギー需給を最適化するCEMS(地域エネルギー・マネジメント・システム)の実証が進んでいる。今後、普及が期待されているEV(電気自動車)は、環境負荷の低減に大きな効果がある一方、充電する時間帯が集中してしまうと電力系統に大きな負荷になる。そこで、EV充電管理システムとCEMSが連携したデマンドレスポンス(DR、需要応答)により、充電する時間帯を適切にシフトさせる取り組みを行っており、その結果、DRの効果と課題が見えてきた。特に、DRが抑制効果に与える影響では、ポイント付与の多寡よりも、要請する時間幅の大小が重要であることがわかってきた。

 EV(電気自動車)は、走行中に排気ガスを出さないばかりでなく、今後、電源構成に占める再生可能エネルギー由来の割合が高まっていけばCO2の排出削減にも貢献する。しかし、EVが大量に普及して、同じ時間帯に一斉に充電したり、電力需要のピーク時に充電したりした場合、その地域の電力系統に対して大きな負荷がかかる。けいはんなでの実証を通じて、CEMS(地域エネルギー・マネジメント・システム)と連動したデマンドレスポンス(DR、需要応答)によって、負荷を低減する効果が明らかになった。

実証に参加するEVが60台から100台に増加

 けいはんな学研都市では、EVの普及する近未来を想定し、住民や法人が所有するEVを対象に、CEMSと連携しつつ、DRによって、特定の日時におけるEVの充電を抑制したり、充電する時間帯をシフトさせたりする実証に取り組んでいる(関連記事『EV60台の充電状況を常に把握して電力需要を予測』)。