核融合発電技術が世界的に脚光を浴びている。太陽の中心で起こっている核融合現象と同種の反応でエネルギーを生み出し、発電につなげる“夢のエネルギー”だ。核融合発電を実用化できれば、世界のエネルギー事情が一変する可能性が高い。盛り上がりの背景には、国レベルで進めるトカマク型核融合炉の建設がようやく軌道に乗り始めたことがある。加えて、トカマク型以外の技術で核融合発電を目指す民間企業の動きも盛んになってきた。特に米国では、さまざまな「核融合ベンチャー」が生まれ、米エネルギー省(DoE)や国防省(DoD)、米Amazon.com社や米Microsoft社の創業者などが出資する状況になっている。

 今回、国内で核融合発電技術の開発を進めている幾つかの組織や企業を取材し、その開発現場を実際に訪ねた。技術の概要と共に、開発中の装置を写真で紹介する。併せて、取材した海外のベンチャー企業数社の技術も紹介する。