会場の都市センターホテル(東京都千代田区)
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PWVの弱点を補う「CAVI」

 このうちPWVは血管年齢の代名詞ともいえる指標だが、「血圧やストレスに依存して変動し、不安定」(東丸氏)という弱点がある。PWVから算出された血管年齢が高く、被験者が「ショックを受けるケースもしばしばある」(同氏)が、その血管年齢は必ずしも実態を反映しないというわけだ。

 この弱点を克服しようと東邦大学が開発に携わったのが、「CAVI(cardio ankle vascular index)」と呼ばれる新しい指標である。心臓から足首までの動脈の硬さを反映する指標で、動脈硬化が進むほど値が高くなる。

 CAVIの基本的な測定原理はPWVと同様だが、計算式に血圧の項を入れることで「血圧の影響を排除した」(東丸氏)点が特徴だ。これにより、動脈硬化の進行度をPWVよりも精度よく見積もることができるようになった。フクダ電子が検査装置を製品化済みである。

 動脈硬化の指標となるIMTやプラークスコア、CAVIは「互いに相関する」(東丸氏)。動脈硬化のリスク因子とされる高血圧が、CAVIなどの指標に影響することも分かってきた。これらの指標からは、動脈硬化が若い時期から進行し始めることが分かっており、「30~45歳における生活習慣のしっかりした管理が重要」と東丸氏は指摘する。