安全・安心に関する情報も必要

 次に、竹村氏らと共同研究者である近畿大学大学院総合理工学研究科の山下陽規氏は、モバイル端末を利用した観光・健康情報サービス基盤に実装することを想定した「ARを用いた観光ウォーキング支援システムの構築」について発表した。

近畿大学大学院総合理工学研究科の山下陽規氏
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 AR(Augmented Reality、拡張現実)は、現実空間などに仮想的に情報を付加・削除・強調・減衰させたりする技術。この技術を利用したものに「石垣島観光なび」というアプリの「おさんぽAR」などがあり、観光スポットにスマートフォンのカメラを向けて撮影するとその名称などの情報を表示する。

 こうしたサービスに対して、山下氏は次のように指摘する。「実際に観光する際には観光スポットの情報だけでなく、トイレや道路の段差などの情報、あるいは緊急時に備えたAEDの設置情報など安全・安心に関する情報も必要。ただ、情報があっても2次元の地図上ではわかりにくく、地図を読めない人も多いため、これらを統合的に扱えるサービス提供基盤が求められる」(同氏)。これが、ARを利用した観光ウォーキング支援システム構築の動機だとした。