薬剤識別支援システム「薬速」

 ゆうあいホスピタル薬剤科の木村敦氏と逢坂智美氏は、iPhone/iPadとFileMakerプラットフォームによる医療機関向けソリューションとして、薬剤の形状や色などから容易に薬剤鑑定を行なえる薬剤識別支援システム「薬速」、連携して運用する「添付文書バンク」について紹介した。薬速および添付文書バンクはApp Storeで販売されており、3000ダウンロードを超えているという。本セッションでは同システムの解説の他、FileMakerにネイティブな機能を加えて、誰でも簡単にアイコン作成する方法などを中心に紹介した。

ゆうあいホスピタル薬剤科薬剤科科長の木村敦氏(左)と薬剤科で医療情報技師の逢坂智美氏(右)
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 FileMaker Goを利用してiPhoneやiPadでFileMakerファイルを利用する場合、FileMaker Goを起動し、当該のファイルを選んで起動する。「業務で使う上では起動に手間がかかり、ファイルが多いと選択するのも迷う。ホーム画面から直接ファイルを起動するためにアイコンがあれば便利」とし、アイコンにする画像を文字列データに変換し、FileMaker、HTML、CSS、JavaScriptを使って作成、Safari経由でホーム画面にアイコンを追加する方法を紹介した。

 原土井病院の古賀龍彦氏は、「電子カルテ時代の情報母艦としてのFileMakerファイルの重要性」と題し、古くから自身がFileMakerを利用してきた経緯を紹介するとともに、糖尿病等生活習慣病患者の一般外来フォローに必要とされる情報を集約するためにFileMakerを活用している事例を発表した。「2014年2月に電子カルテパッケージが導入されたが、電子カルテだけでは糖尿病診療に必要な情報の一瞥把握は困難。電子カルテのフロントエンドとしてFileMakerの接続ができない医療者であっても、両システムを並行運用しながら診療に役立てていくことができる」(古賀氏)とし、同院での運用方法を説明した。

原土井病院内科医の古賀龍彦氏
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