「電気自動車(EV)は普及しないだろう」「成長は期待薄」・・・。2014年初めまで、こんな否定的な意見をよく耳にしたEV。2010年前後にいったん注目を集めたが、販売が当初の期待ほど伸びず、失望感も広がっていた。

 だが、2014年はそんなEVへの関心が再び高まった。米Tesla Motors社の高級セダン「Model S」(図1)の販売は世界的に拡大し、日本でも発売された。ドイツ勢では、BMW社がEVの「i3」を日本市場にも投入し、Volkswagen社も主力車のEV版である「e-up!」と「e-Golf」を2015年に発売すると発表した。

図1 Tesla社のEV「Model S」
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 世界を見渡すとEV(EV走行が主力のプラグインハイブリッド車=PHEVを含む)の市場は拡大している。2014年のTesla社のModel Sの販売は、前年から5割以上増の3万5000台程度を計画。同社は受注の拡大に生産が追いつかない状況が続いていた。日産自動車の「リーフ」も2014年の米国における販売が前年比で約34%増加し、過去最高となった。三菱自動車の「アウトランダー PHEV」も欧州などで販売を大幅に伸ばしている。もちろんガソリン車と比べるとEVやPHEVの市場は小さいが、健闘している。