このシリーズでは、中部電気保安協会の本店 保安部 太陽光プロジェクトチームによる、太陽光発電システムのトラブル事例や、それらのトラブルへの対応策、所属する電気主任技術者にどのように助言しているのかについて紹介する。同チームがまとめたトラブル事例集を基に、同チームの寄稿によって構成している。

 新年明けましておめでとうございます。2015年の最初となる今回は、パワーコンディショナー(PCS)の制御電圧に関するトラブルを紹介します。

 顧客から、「太陽光発電設備が停止したため、何が起きているのか、見に来てほしい」との連絡を受け、最寄りの中部電気保安協会の営業所から、現場へ調査に向かいました。

 太陽光発電所に到着すると、2台のPCSのうち、1台が稼働を停止していました。そこで、PCSの警報を確認したところ、不足電圧継電器(UVR)が動作していました。UVRは、電圧が予定値よりも低下した場合に動作する保護継電器(リレー)です。

 この時、電力会社側の配電線は、停止していませんでした。昇圧設備(キュービクル)内のブレーカーも、「切」状態ではなかったことから、PCSのモニターで電圧を確認したところ、各相間電圧がAC(交流)170V~280Vとバラつきがありました(図1)。

図1●各相間電圧がAC170V~280Vとバラつき
(出所:中部電気保安協会)
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