このシリーズでは、中部電気保安協会の本店 保安部 太陽光プロジェクトチームによる、太陽光発電システムのトラブル事例や、それらのトラブルへの対応策、所属する電気主任技術者にどのように助言しているのかについて紹介する。同チームがまとめたトラブル事例集を基に、同チームの寄稿によって構成している。

 太陽光発電設備の電気保安業務に関わる中で感じることの一つに、従来の受電設備がある程度、標準化されていたのに比べて、太陽光発電設備は、接続や運用の方法などが、多様な傾向にあることがあります。

 こうした違いから、従来の受電設備では、ある程度、共通化された設備を、共通化された方法で接続したり、運用できたのに対して、太陽光発電では、導入する発電設備に特有な接続などの方法を把握し、それぞれの方法に合わせて施工することが求められます。

 今回は、こうした太陽光発電設備ならではの状況から生じたトラブルを紹介します。パワーコンディショナー(PCS)に関連する事例です。

 PCSには、メーカーから、付帯する受電設備の機器について、さまざまな注意事項が定められています。その注意事項は、取扱説明書などに記されているもの以外に、メーカーから仕様書などと一緒に通知されるものもあります。

 今回、紹介するのは、PCSメーカーから設置しないように通知されている機器が設置されていたために、保護継電器が誤動作した事例です。