1971年に発表されたCPU「4004」。このCPUの登場によって、個人がコンピューターを持つ時代への道が切り開かれました。4004以降、CPUや個人向けコンピュータはどのような進化をしてきたのか、本連載ではCPUとパーソナルコンピューターの黎明期を振り返ります。懐かしいCPUのアーキテクチャーと、これも懐かしい製品の写真をぜひお楽しみください。
CPU今昔物語 CPUとパソコンの黎明期を振り返る
目次
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8ビットPC百花繚乱の中、16ビットPCが誕生
1981年に、ついに16ビットPCが誕生する。しかし、時代はまだ8ビットPCを求めていた。80年代初頭はホビー用途を中心にさまざまな8ビットPCが登場した。
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“究極”と評されたが、登場が遅すぎたMC6809
富士通が「FM-8」に搭載したことで、国内で一躍注目を浴びたMotorolaの「MC6809」。その高性能と多機能ぶりから、「究極の8ビットCPU」とさえ称されたが、ほかに採用したメーカーは米国のRadio Shackや日立製作所くらいしか見あたらなかった。ホビー向けの8ビットPCはその後も各メーカ…
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8ビットPC全盛期へ、海外ではビジネス用途も
「ロクハチ」対「ハチマル」─。日本のパソコン市場の最初期から、この両者の争いは始まっていた。全体的に言えば、ハチマルの勝利と言ってもよいだろう。ワンボードマイコン時代に「MC6800」互換CPUを採用したのは日立製作所と富士通だったが、最初期にPCとしてロクハチ系を採用したのは、日立製作所だけだった…
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Z-80とMCS6502は複雑 vs. シンプル、対照的な2つのアプローチ
第1世代のPCを支えた、Zilogの「Z-80」とMOS Technologyの「MCS6502」。両者はそれだけでも十分にエポックメイキングな存在だが、その命令セットアーキテクチャーが長く現役であり続けている点でも画期的なCPUだったと言える。例えばゲーム機を見ると、Z-80は任天堂の「ゲームボー…
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ホビー界で吹いた“嵐”、それがPC革命の始まりだった
1977年1月。米国・シカゴで開催されたConsumer Electronics Show(CES)の参加者は、驚きを禁じ得なかっただろう。それまでの“マイコン”と言えば、MITSの「Altair 8800」のような真四角のハコにLEDとスイッチが大量に並んだミニコンを模したものか、NECの「TK-…
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IntelとMotorola“宿命のライバル”対決第1弾、8080にMC6800が挑む
IntelとMotorolaのCPUは、ことあるごとに比較され、優劣が議論されるなどよきライバル関係が続いた。その皮切りとなったのが、今回取り上げる「8080」と「MC6800」だ。
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マイコンキット登場、コンピューターが個人の手に
1974年に入り、“第2世代”と呼ぶべきCPUが登場し始めた。その代表的な存在が、Intelが発売した8ビットCPU「8080」である。第1世代に当たるのが、前回までに紹介したIntelの「4004」や、同社の「8008」である。いずれも、電卓など製品化の段階で既に最初に適用する機器が決まっていたも…
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電卓向けの性格を色濃く残す、4004のアーキテクチャー
前回は4ビットCPUが登場した背景について解説した。今回は世界最初のCPUである、Intelの「4004」の中身について解説しよう。ちなみにワンチップのマイクロプロセッサーをCPUと呼んだのはIntelである。他社の多くはMPU(micro processing unit)と呼んでいた。
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4ビットCPU「4004」誕生、それは電卓から始まった
CPUは大規模化し、複雑化の一途をたどってきた。その結果としてブラックボックス化が進み、中の働きが分かりにくくなっている。そこで過去のCPUを題材に、時代背景とともにその特徴を解説することで、改めてCPUとは何なのかを問うていきたい。