NTTファシリティーズと、旭硝子の子会社のAGCマテックス(神奈川県相模原市)が共同で開発した、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)による架台を採用したメガソーラー(大規模太陽光発電所)が相次いで稼働を開始した。

 西部ガスグループと旭硝子の合弁による特定目的会社(SPC)である、エネ・シードひびき(福岡県福岡市)の出力20.5MWの「エネ・シードひびき太陽光発電所」(福岡県北九州市、図1)、NTTファシリティーズの出力4.779MWの「F鹿嶋太陽光発電所」(茨城県鹿嶋市)である。

図1●FRP架台を採用した出力20.5MWの「エネ・シードひびき太陽光発電所」
(出所:日経BP)
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 NTTファシリティーズは、太陽光発電所の建設に関して国内でトップクラスの実績を持つ。一方、AGCマテックスは、長期間にわたって高い耐腐食性、耐候性が求められる用途、例えば、橋梁などの社会インフラや薬品タンク、船舶といった分野にFRPを応用してきた実績がある。FRP架台は、こうした両社の知見を融合して開発した。

 FRPならではの材料特性を生かすことで、一般的な鋼製架台では難しかった特徴を、主に三つ実現した。一つ目は、厳しい自然環境に対する耐候性、二つ目は、架台とパネルの設置作業の効率化、三つ目は、立地環境に合わせたカラーバリエーションである。

 このうち、一つ目の、厳しい自然環境への耐候性と、三つ目の、カラーバリエーションは、FRPという材料そのものが持つ特性である。耐候性については、FRPを材料に使うだけで、塩害地域、高温多湿地域、多雪地域の融雪剤による腐食に対して、優れた耐久性を実現できる。