このシリーズでは、中部電気保安協会の本店 保安部 太陽光プロジェクトチームによる、太陽光発電システムのトラブル事例や、それらのトラブルへの対応策、所属する電気主任技術者にどのように助言しているのかについて紹介する。同チームがまとめたトラブル事例集を基に、同チームの寄稿によって構成している。

 前回に続いて、太陽光パネルの製品不良を発見した事例を紹介します。メガソーラー(大規模太陽光発電所)などでは、一般的に結晶シリコン系の太陽光パネルが使われています。このタイプのパネルは、数十枚の太陽電池セル(発電素子)を直列に接続し、対候性パッケージに収めています。

 直列接続は、構造上の弱点があります。1枚でもセルに不具合が生じて発電しなくなると、太陽光パネル全体に影響を及ぼし、出力が低下してしまうことです。

 そこで、1枚のセルの不具合が、パネル全体に悪影響を及ぼさないように、クラスタと呼ばれる組を構成し、万が一、セルの電流が流れなくなった場合、クラスタごと並列に接続されたバイパスダイオードで迂回させるように設計されています。

 しかし、迂回によって、バイパスダイオードにたくさんの電流が流れ続けると、バイパスダイオードが発熱し、場合によっては焼損する恐れがあります。