会場には、本プロジェクトの中心人物である久野譜也氏(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授/つくばウエルネスリサーチ代表取締役)も来訪。住民と気さくにコミュニケーションを図りながら、多くの来場者の様子を見守った。そして今回のプログラムに関して改めて話を聞くと、次のように答えた。

 「まずは健幸ポイントプロジェクトに関心の薄い層がどれだけ来てくれているか。今日の状況を見ると、引っ張り出すことには成功した。あとはどれだけ継続してもらうか。そうした意味で、ポイントがどこで使えるのかの周知は大事だ。伊達市はかなり頑張っていて、なかなか商品券の仕組みを作るのが大変な中で、非常に多くの協力を取り付けている。

 5年後に100自治体ぐらいの規模まで拡大できれば相当なマーケットになり、ビジネスからの注目も集まる。参加したいときにポイント交換のノウハウがあれば、すぐに自治体に提供できるようになる。結局のところ、健幸ポイントの付与は、いい循環を生み出すための仕掛け。参加した人たちの健康につながるし、結果的に医療費の抑制に発展する」

住民と交流する久野氏(右)
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 参加者の1人(60代半ばの男性)に話を聞くと「強制参加ではないのがいい。自分のペースで運動できるのが一番長続きできるのでは」と答えた。プロジェクトの期間は2014年12月から3年間を予定。久野氏によれば、進めていく中で自治体ごとに健康増進のメニューを随時改善し、ポイント付与の割合の強弱をつけていくとのこと。大都市では民間のフィットネスクラブもプログラムに参加する。