このシリーズでは、中部電気保安協会の本店 保安部 太陽光プロジェクトチームによる、太陽光発電システムのトラブル事例や、それらのトラブルへの対応策、所属する電気主任技術者にどのように助言しているのかについて紹介する。同チームがまとめたトラブル事例集を基に、同チームの寄稿によって構成している。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)などの太陽光発電所では、主に結晶シリコン系と化合物系の2種類の太陽光パネルが使われています。化合物系では、CIS型が広く使われています。

 結晶シリコン系の太陽光パネルは、数十枚の太陽電池セル(発電素子)を直列に接続し、耐候性のパッケージに収めたものです。

 太陽電池セル1枚当たりの出力は4W程度です。この太陽電池セル60枚を、直列に繋ぐことによって、240Wの出力を得ることができます。

 ただし、直列接続のため、1枚でも太陽電池セルが、故障などによる不具合や、影によって発電しなくなると、直列接続されているすべての太陽電池セルに影響が及び、出力が大幅に低下してしまいます(図1)。

図1●直列接続されている太陽電池セルに不具合があると、そのパネル全体が出力できない
(出所:中部電気保安協会)
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