図1 IGBTのシェア
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図2 日本市場でのシェア
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「日本は開拓の余地が大きいマーケット。これまで年率30%で成長してきた。今後5年、最低でも15%以上の伸び率を維持したい」――。こう意気込むのは、ドイツInfineon Technologies社で、産業機器向け半導体製品などを扱う「インダストリアルパワーコントロール(IPC)」事業のDivision Presidentを務めるHelmaut Gassel氏だ。IPC事業の世界売上高は、2013年会計年度(2012年10月~2013年9月)通期で、6億5100万ユーロとInfineon社全体の約17%を占める。

 日本市場の開拓の余地が大きいとするのは、IPC事業の中核をなすIGBT事業のシェアを伸ばすことを指している。IGBT世界市場では、Infineon社は首位争いを続けている(図1)。2013年では、シェアが23.8%の三菱電機に続き、シェア21.5%で業界2位につけた。品種別にみると、IGBTモジュールでは三菱電機に続く2位だが、ディスクリート品では三菱電機を抑えてシェアトップに位置する。

これに対して、日本市場をみてみると、以前よりも急速にシェアを伸ばしつつあるものの、世界市場に比べて順位は高くない。ディスクリートIGBTでは第5位、IGBTモジュールでは第7位に甘んじる(図2)。