車載半導体の世界シェア
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Hanebeck氏
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 ドイツInfineon Technologies社の事業戦略などを取り上げる本連載。第2回は、車載半導体製品などを扱う「オートモーティブ(ATV)」事業を取り上げる。2013年会計年度(2012年10月~2013年9月)通期で、ATV事業の売上高は17億1400万ユーロと全社の約45%を占める。同社の4つの事業分野でもっとも比率が高い。ATV事業は、アプリケーションに応じて、「パワートレーン」「ボディ」「セーフティ」の3つに分類している。このうち売上高がもっとも大きいのが、パワートレーンで同事業全体の約40%を占めるという。残りを、ボディとセーフティで約半々ずつを占めている。

 車載半導体の世界シェアは9.6%と、2013年時点でルネサス エレクトロニクスに続いて業界2位(図1)。地域別に見ると、欧州では首位、アジア太平洋地域で2位、米国で2位、日本では3位だという。製品ごとにみたシェアは、「パワー半導体」が1位、「センサー」がBochに続く2位、「マイコン」がルネサス エレクトロニクス、米FreeScale社に続いて3位とする。売上高比率では、パワー半導体が半分以上と最も大きい。「2013年は車載半導体におけるシェアを伸ばした。2014年も伸ばし、ルネサスとの差を縮めていけるだろう」(Infineon社 Automotive Division Division PresidentのJochen Hanebeck氏)と意気込む(図2)。

 中国が牽引役となり、自動車の生産台数は、今後年率4%弱で伸びるとみている。自動車1台あたりの半導体の金額も増加傾向で、CO2削減用途やADAS用途、快適性などを向上させる用途の車載半導体市場は、年率2~4%ほどで伸びるとみている。こうした市場成長に伴い、Infineon社のATV事業は年率8%弱で伸びるとみている。