九州電力・能見和司執行役員・経営企画本部副本部長

九州電力は9月25日、再生可能エネルギーの接続申し込みの回答を保留した。「保留」は東北電力や四国電力も追随し、“九電ショック”は全国的に広がった。ただ、九電の能見執行役員は、九州特有の「低圧敷地分割」への対応や、設備認定量が夏季ピーク需要をも超えた九州の深刻さを強調する。一方で、接続可能量を超えても、条件次第で受け入れる可能性や、新技術による接続可能量の増加にも期待する。

――再生可能エネルギーの接続申し込みの回答を「保留する」という措置は、固定価格買取制度(FIT)上、想定したものではなく、法的な問題点を指摘する人もいます。

能見 9月25日から回答を保留したことについては、多くの皆様にたいへんご迷惑をおかけし、たいへん申し訳なく思っています。ご指摘のように、法的に「保留」という対応は想定していません。FITでは、正当な「拒否事由」があれば、接続を拒否できます。再エネをそれ以上に連系すると、安定した電力の供給が困難になる「接続限界」に達すれば、それは拒否事由に当たります。九州の太陽光・風力の設備認定は5月末で1787万kWに達し、接続済みと接続契約申し込み分を合わせると7月末時点で1260万kWに達しました。電気の軽負荷期の昼間需要である約800万kWの2倍以上に達しています。こうした膨大な量は、接続限界に達している蓋然性が非常に高いと判断し、いったん保留して、数カ月間かけて再エネの接続可能量を見極めることにしました。

 保留したといっても、再エネを最大限に導入するという方針に変わりありません。原発が停止するなかで、夏の需要ピークなどに、すでに太陽光発電からの出力は大きな助けになっています。九電自体も、グループ会社を通じて再エネに取り組んでいます。