ドイツ・ミュンヘン郊外に本社を置く独シュレッターは世界最大の架台メーカーである。欧州・米国・アジア・アフリカなど、これまで世界に出荷した太陽光発電向け架台は出力換算で累計15GWに達する。世界第2位の中国メーカーの累積出荷量が5GW程度と見られることから、ダントツの世界一ということになる。

 日本に進出したのは固定価格買取制度(FIT)が始まる直前の2012年3月。国内での知名度はさほど高くないが、日本法人であるシュレッター・ジャパン(横浜市)のドミニク・グリュッツナー社長は「想像していたより、いい感触だ」と日本市場に手応えを感じている。進出してからこの2年で国内の出荷量はすでに400MW分に達した。千葉県富津市で建設が進む富津メガソーラー北エリア(太陽光パネルの出力規模で42MW)などで採用されている。

 シュレッターは1968年に設立された金属構造物の専門メーカーで、鉄道車両や自動車向けの鉄材やアルミ部材などを製造している。近年は架台製造が急速に伸び、2013年の売上高約450億円のうち7割を架台が占める。欧州の架台市場では3割、米国でも3割がシュレッダー製だという。

 シュレッターの架台の特徴は、「組み立て・施工が容易なこと。そして、どのような条件の土地にも対応できる製品のバラエティと施工技術にある」とグリュッツナー社長は話す。

 同社が最も得意とするのは、打ち込み式の杭基礎を架台の支柱とするタイプだ。専用の油圧式杭打ち機で、深さ1.2~1.8mまで打ち込む(図1)。杭打ちのスピードは1本当たり10秒弱という速さだ。専用機は打ち込む力が強く、コンクリートで覆われた敷地にも支柱を打ち込める。

図1●架台の支柱を地中に打ち込む杭基礎方式(出所:シュレッター)
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