進行がんで効果大

 ロボット支援型の胃がん手術に対する先進医療は、2014年9月4日に承認が下りた。今後は保険収載を目指し、同手術の安全性や有効性、経済性に関する多施設共同での前向き臨床試験を進める。対象は前治療のない根治切除可能な臨床病期I期およびII期の胃がんで、予定登録数は330例。

 主要評価項目は、グレード3以上の全合併症発生率だ。先進医療に参加する3施設における2009~2012年の計801症例におけるグレード3以上の全合併症発生率(6.4%)を、3.2%に半減できるという仮説を検証する。この評価結果が良好であれば「保険収載されるとみている」(同氏)。

 宇山氏は胃がん治療におけるロボット支援手術の今後の位置付けについて、「早期がんには従来の開腹または内視鏡下手術、進行がんにはロボット支援手術を適用するのが好ましい」との見方を示した。今後、保険収載や装置価格の低下により「(ロボット支援手術の)価格がより適正化されれば、患者にとってメリットのある治療だと確信している」(同氏)。