講演するデンソー 半導体先行開発部 担当次長 菅原 良一氏(撮影:著者)
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自動車において、電子制御が担う役割は徐々に高まっており、現在では自動車の進化に不可欠なものになっている。今後の自動車の進化の方向性の1つに、自動運転がある。自動運転の実現に向けて、カーエレクトロニクスの技術や市場が、さらに伸びていくことは間違いない状況にある。その支えとなるのは、半導体技術である。

 現在の半導体市場において、自動車向けが占める比率は全体の約1/10で、金額では約4兆円となっている。品種別では、マイコン、アナログのASICという2つの品種で約半数を占めている。

 車載用エレクトロニクス・システムの主な用途には、安全、制御、パワートレーン、インフォテインメントの4つがある。インフォテイメントは、情報と娯楽を融合したサービス分野で、その多くはカーナビゲーション・システムが担っている。この4つの用途で、市場の約7割を占めている。

 一方で、車載用半導体の用途の上位三位は、安全、パワートレーン、インフォテインメントとなっている。この3つで約7割を占めている。つまり、半導体が自動車分野をけん引していることを、これらのデータが示している。