ウエストエネルギーソリューションの恩田英久社長
(出所:日経BP)

ウエストグループでEPC(設計・調達・施工)サービスから発電事業者を担う、ウエストエネルギーソリューション(広島市)は、日本で建設した太陽光発電所の数で、トップクラスの実績を持つ。その強みや今後の戦略などを、恩田英久社長に聞いた。

――太陽光発電所の建設件数では、日本一の規模ではないかと聞く。

恩田 件数では恐らくトップで、建設中も含めると、約200カ所に達している。このうち、稼働済みが122カ所となる。

 この数は、ウエストエネルギーソリューションが開発から手掛け、建設した太陽光発電所で、EPCサービスだけを受注した案件を加えると、2倍以上の件数になる。

――事業モデルや戦略、今後の展望の前に、九州電力を始めとする電力会社各社による、接続申し込みへの回答の保留の影響について聞きたい。

恩田 これを機に業界の浄化につながる面もあり、前向きに捉えたいと考えている。単なる投資目的で一時的に参入した事業者が、一斉に手を引くことで、競合が減る可能性もある。

 今の国内の太陽光発電所の実態を見ると、経済産業省が設備認定した容量と、実際に稼働済みの太陽光発電所の容量の乖離が激し過ぎる。2013年度までの設備認定の合計容量が約66GWあり、2014年度に約20GWがすでに加わっている。

 このうち、出力500kW以上が約41GWと、全体の3分の2ほどを占めている。この出力500kW以上の案件では、稼働済みの発電所は5月の時点で約9%にとどまっており、現在でも10%強に過ぎないと予想できる。