2014年8月、Global Smart Grid Federation(GSGF)は、電気自動車(EV)のインタフェースの世界的な政策動向と提言を取りまとめた白書「EVの系統相互作用とインタフェース(Grid Users Interactions and Interfaces)」を発表した。この白書は、GSGFに設置された作業部会(WG)において、約1年を掛けて情報収集、議論を重ねた成果だ。WGには、アイルランド、オーストラリア、カナダ、韓国、台湾、デンマーク、日本、ノルウェーの8カ国が参加。日本からは、WGの議長を務めた筆者(写真)をはじめ、日本自動車工業会(トヨタ自動車)の汲田邦彦氏、三菱総合研究所の志村雄一郎氏などが参加し、白書の取りまとめをリードした。同白書は、EVの普及政策について、課題や優良事例を示すとともに、EVの本格普及に向けた充電インフラ整備の必要性などを提言している。世界の産業界の見解として、今後のスマートグリッドに関する政策に影響を与えることが期待されている。ここでは、この白書に示された電気自動車普及のポイントについて紹介したい。

 第1回目は、電気自動車(EV)普及先進国として知られるノルウェーの事例を見てみよう。ノルウェーは政府の手厚いEVに関する支援策によって、急速にEVが普及している国である。GSGFの白書を取りまとめた時期には、2万台程度のEVがノルウェーの道路を走っていたが、この記事の執筆時には3万4千台まで増えており、その伸びはとどまることを知らない。今年8月には新車販売台数の実に15%近くがEVだった。

ノルウェーにおけるEVとPHEVの普及の推移
ノルウェーNPO「Gronn Bil (緑の車)」Webサイトより