断熱効果で空調費を削減

 倉庫の屋根の上に、太陽光パネルを設置することによって、発電以外の利点も生じた。パネルが、屋根の断熱性を高める効果だ。

 屋根から倉庫内に、屋外の高温が伝わることを抑えるため、夏の暑い時期に、冷房の費用が減る効果がある。冬になると、逆に太陽の熱を妨げる効果が生じるが、倉庫内の室温を外に逃がさない保温効果の方が高く、暖房の効きは良くなるという。

 こうした効果は、閉じきった建物ならば、より高い効果を得られる可能性がある。倉庫の場合、側壁のシャッターを開放して使うために、効果の度合いを数値化することは難しい。

 それでも、効果は実感できるという。例えば、冷房の温度を28℃に設定する夏の高温時には、これまで冷房時にも設定以上の温度になっていたが、太陽光パネルの設置後は、28℃を維持できるようになった。さらに、古い棟の貸出先企業の電気料金が、ぐんと下がった(図10)。

図10●古い棟の貸出先企業の空調費が低減
(出所:斉藤倉庫)
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●発電所の概要
名称甲斐の国メガソーラーステーション
発電事業者斉藤倉庫(東京都調布市)
住所山梨県甲府市白井町1410番地(斉藤倉庫 甲府倉庫)
敷地面積1万6300m2
出力0.99MW(太陽光パネル出力:1.053668MW)
EPC(設計・調達・建設)サービステス・エンジニアリング(大阪府大阪市)
太陽光パネル京セラ製(242W品、4354枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
売電開始日2013年6月27日
年間予想発電量約119万kWh
■変更履歴
公開当初、6ページ目に記載した、太陽光パネルを載せるために必要な約14kg/m2の耐荷重について、「水を屋根の上に高さ1.4m分のせた時の重さに相当する」としていましたが、高さの数値は「1.4cm分」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/9/22 19:22]