送電用の鉄塔は、南側のみ対策

――太陽光発電所に関しては、カラスが石を落すのを防ぐための特効薬はなく、地道に取り組むしかないのだろうか。

杉田 畜舎や田畑を、カラスによる被害から守るのには、さまざまな手段が確立されている。しかし、太陽光発電所は、面積が広いために対策に限りがある上に、発電効率を落とすことにつながるような、何かを被せるタイプの対策は取れない。

上空から落下した石などによって、ガラスが割れた太陽光パネル
中部地域での例(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 太陽光パネルは、どこでも真南を向いて設置しているのだろうか?  そうであるならば、太陽の向きとの関係で、カラスが興味を持つような反射の仕方をしている時間帯があるのかもしれない。

 というのは、送電用などの鉄塔では、方角に基づいたカラス対策が取られているからである。

 カラスは送電用の鉄塔に巣を作ることがあり、それが停電の原因にならないように、対策が取られている。具体的には、鉄塔の四つの脚のうち、南向きの脚に、保護用具を取り付けてある。

 南向きの脚にしか取り付けないのは、カラスが巣を作るのは、日当たりが良い南側だけに限られるからだ。