青森県の東部に位置する小川原湖。シラウオ、ハゼ、シジミ、ウナギなど豊富な水産資源に恵まれ、冬には湖面が結氷し、ワカサギの穴釣りを楽しむ人たちで賑わう。その湖を間近に望む三沢市三沢小山田地区に、出力約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「MSM-1号機」がある(図1)。2013年4月に稼働以来、予想を超える発電量を上げている。

図1●小川原湖を望む「MSM-1号機」の全景(出所:三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合)
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 「MSM」とは、「三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合」の略だ。三沢市内に本社を置く青建設計、小坂工務店、浪岡電設、田嶋板金工業の4社が設立した。周辺にメガソーラー建設計画が相次ぐ中で、地元企業が太陽光発電設備のO&Mを共同で引き受けるのが目的だ。代表理事を務める相場博・青建設計社長は、「太陽光発電を地域の雇用に結びつけるには、独自のO&M(運用・保守)手法を確立して、地元の人材がそれを担うことが必要だ。MSM-1号機はその実証や訓練施設になる」と話す。MSMは、約0.8MWのMSM-2号機と合わせ、市内に約2.8MWのメガソーラーを所有する。