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粒子線治療装置の小型化を積極推進する三菱電機――民間病院での導入機運にも対応

セミナー「世界を変える神戸の医療技術」から

2014/08/14 00:00
赤坂 麻実=日経デジタルヘルス
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 三菱電機は、2014年8月8日に開催された「神戸医療産業都市~国家戦略特区指定記念セミナー~『世界を変える神戸の医療技術』」(主催:神戸市)において、粒子線治療装置の小型化の取り組みに関する講演を行った。登壇したのは同社 電力システム製作所の福本信太郎氏(磁気応用医療システム部 主席技師長 国内陽子線治療装置プロジェクトリーダー)。

 粒子線治療装置とは、原子核を加速して、がんの患部に陽子線や炭素イオン線(重粒子線)を集中照射する治療装置。三菱電機は陽子線、炭素イオン線、両線併用という3種類の粒子線治療装置の製造実績を持つ世界で唯一のメーカーであり、これまでに放射線医学総合研究所(千葉市稲毛区)や兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)などに納入してきた。粒子線治療を行っている国内医療機関17施設のうち10施設が三菱電機の治療装置を導入している。

 粒子線や光子線(X線やガンマ線)などの放射線を使った治療は、外科手術と異なり、高齢者など体力に不安のある患者でも治療を受けられ、通院での治療も可能という利点がある。また、粒子線は、光子線が体の表面に近い部分で最も吸収されやすいのに対し、体の表面から10cm以上深い部分で最も吸収されやすい(ブラッグ曲線)という特徴がある。照射する際のエネルギーを変えることでこのピークを広げることもできるため、がん患部に効率的に照射しやすい。患部より浅い位置など、本来なら照射すべきでない部分には吸収されにくいため、副作用が少ない。

 陽子線と炭素イオン線は、粒子が物質(この場合は体内)を通過する際に与えるエネルギーの大きさが異なる。陽子線は低LET(Linear Energy Transfer:線エネルギー付与)で、炭素イオン線は高LETだ。このため、炭素イオン線を使う場合は治療時の照射回数が少なくて済み、陽子線の場合は多くなる。一方、装置の大きさや初期コストは炭素イオン線装置のほうがかさむ。また、さまざまな角度からの照射を可能にするガントリーが、陽子線装置ではすでに実用稼働中だが、炭素イオン線では開発段階である。

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