日本語を学ぶ際、課題の指示に従って文章を書いてみることで、自分の文章力を知ることができます。もちろん、誰が書いても同じ文章にはなることはあり得ません。大事なことは、読む人に自分が書いた文章の意味が正確に伝わることです。

 日本の学校教育では、作文の練習と指導はありますが、ソフトウエア文章の指導を行っている教育機関は極めて少ないのです。教えてもらっていなければ分からないのは当然です。従って、正確な文章を現時点であなたが書けなくても、それ自体はあなたの責任ではありません。

 また、会社においても以前は、先輩が後輩の文章に朱を入れて、正しい文章の教育を行っていました。しかし、ワープロや電子メールの利用が高まるにつれ、このような教育は行われなくなりました。さらに、先輩が後輩を指導するといった文化もすたれていったようです。

自分の文章力を正しく知る

 重要なことは、自分の文章力を正しく知ることで、弱点を克服することができる点です。

 孫子の兵法は「彼ヲ知リ己レヲ知レバ、百戦シテ危ウカラズ。彼ヲ知ラズシテ己ヲ知レバ、一勝一負ス。彼ヲ知ラズ己レヲ知ラザレバ、戦ウゴトニ必ズ危ウシ」と説いています。ここで言う彼とは、あなたの書いた文章を読む人ですね。自分の文章力を知り、読む人の読解力を知れば、百戦百勝だと言うのです。

 SE/プロマネが改めて日本語を学ぶ際は、次の4点を意識して取り組みましょう。

  1. まず文章を書いてみる。書く努力をするのが最初の目標です。
  2. 自分の文章の癖を発見しましょう。知らず知らずのうちに癖がついているものです。
  3. 悪い文章の例を読んで、なぜそれが悪いのかを研究しましょう。
  4. 文章力を高めるために、日常心がけることを学びましょう。