1916年に創設され、日本における照明技術の発展や照明知識の普及に大きく貢献してきた照明学会。5500人超の個人会員、約190社の賛助会員を抱え、研究・調査活動や全国大会などの開催、研究の助成、照明に関する規格・基準の策定など、照明の発展に関わる幾多の活動に関わる(照明学会のホームページへのリンク)。
本コラムは照明学会が発行する「照明学会誌」に掲載されたコンテンツの中から、日経 xTECHの読者の皆さんにぜひ知っていただきたい技術の記事を抜粋して紹介する。
1916年に創設され、日本における照明技術の発展や照明知識の普及に大きく貢献してきた照明学会。5500人超の個人会員、約190社の賛助会員を抱え、研究・調査活動や全国大会などの開催、研究の助成、照明に関する規格・基準の策定など、照明の発展に関わる幾多の活動に関わる(照明学会のホームページへのリンク)。
本コラムは照明学会が発行する「照明学会誌」に掲載されたコンテンツの中から、日経 xTECHの読者の皆さんにぜひ知っていただきたい技術の記事を抜粋して紹介する。
照明学会誌「災害とあかり:津波避難誘導の新たな試み」
2011年の東日本大震災以降、各地で住民の防災教育・啓発や防災体制の向上を図るための大規模な避難訓練が積極的に行われている。訓練は一般的に昼間に行われることが多いが、夜間に災害が発生する可能性もあり、避難訓練を夜間に実施している自治体もいくつかみられる。暗闇でも安全で円滑な避難を確保するためには、照…
照明学会誌「東北支部:復興の灯り 次世代の灯り(有機EL照明)」
次世代の灯りとして期待される「有機EL照明」は、薄型・軽量の平面照明、高演色性、低消費電力、水銀フリー、紫外線フリー、フレキシブル化可能など大きな魅力を有しており、東北とは非常に深い関わりがある。有機ELの実用技術開発は、1987年のTangら(米コダック)による研究発表に端を発するが、世界初の有機…
照明学会誌「福島県白河市「史跡小峰城跡三重櫓・前御門」のライトアップ計画」
福島県白河市の国指定史跡小峰城跡の三重櫓・前御門の夜間ライトアップ照明のリニューアルを行った。
照明学会誌「RGB色LEDを用いた照明による近点距離の短縮効果」
2014年に我が国の科学者がノーベル賞を受賞した青色InGaN系LED の発明により1)、LED は高効率長寿命の照明光源として普及している。現経済産業省の主導で2003年度まで実施された「高効率電光変換化合物半導体開発」プロジェクトにおいては、InGaN 系LED のエネルギー効率WPE が14~…
照明学会誌「視覚研究の100年史-視感覚と視覚的注意」
視覚の研究が今日のように発展してきたのはFechner、G.T.(1801~1887)に負うところが大きい。そのため、国際心理物理学学会ではFechner を記念して「Fechnerday」という国際会議を1999年にアリゾナ大学で催した。
照明学会誌「生物資源育成における光環境教育」
有史以来、自然光をエネルギー源として植物を栽培してきた農業において、日本では江戸時代に和紙を用いた温室での栽培が施設園芸の元祖とされる。以後、ビニルトンネル、プラスチックハウス、ガラスハウスと自然光下での栽培が行われ、半閉鎖環境となって人工光の利用(補光および完全人工光)も行われるようになった。近年…
照明学会誌「CIECAM02を用いたサングラスの分光透過率係数の設計」
スポーツ用サングラスは、防眩性や意匠性に加えて、使用する競技に応じた色識別性が求められる。これまでサングラスの開発段階で色識別性を定量的に評価する手法は確立されておらず、試作品のフィールドテストによる試行錯誤が必要であった。
照明学会誌「GaN パワーデバイスを搭載した調光器対応電球形LED ランプ用小形点灯装置」
近年、白熱電球や放電ランプなどの従来光源と比較して省エネルギー効果が高いという観点から、オフィスや店舗、住宅、道路などの様々な用途において、LED照明器具への置き換えが進んでいる。
照明学会誌「新たなスポーツ照明環境の計画と評価方法 -横浜スタジアムのLED 改修-」
改修前の横浜スタジアムのナイター照明は、高演色形と高効率形の1500W メタルハライドランプで照らされていたが、既設HID 照明器具の老朽化に伴い、屋外ナイター設備のLED 照明への全面改修が計画された。
照明学会誌「光放射応用における温故知新 漁業技術としての光」
漁業や養殖業において光は、作業照明、生物や藻類の飼育環境の調整、そして生物の行動制御のために主に利用される。本稿では、特に漁業において生物の行動を制御するために使用される光の利用について解説する。
数年前までLED は、自身の発光を直接視認させる表示板や、比較的低出力でも設計照度を満たすことができる屋内施設での使用が主流であった。しかしLED の高効率化や低価格化が進み、大きな光出力が要求される屋外環境においてもLED光源が使用されるようになった。
著者らはこれまでに、イネの光害(ひかりがい)に対する対策を紹介してきた。特に、夜間の社会・経済活動において、安心・安全を確保するインフラの1つである夜間照明の、その価値を損なわず、さらにイネの光害が回避できる照明の開発を行った。
レーザでは、その高いパワー密度から、照射条件によっては人体に有害となる可能性は決して低くない。ときおり報道される、スポーツ選手や航空機の操縦者らへのレーザ照射の事例では、高強度なレーザが用いられたとの報告もあり、規制を超えたパワーレベルのレーザポインタが入手可能なケースが存在している現状も伺える。…
東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年が近づくにつれ、年々スポーツ競技に対する関心が高まっているが、競技が行われる施設では、省エネルギーへの取り組みとして、既存の照明器具からLED照明器具に置き換わりつつある。しかしその一方、小さい発光面積から光が照射される白色LEDを光源…
新たな固体光源技術の現状と可能性
LEDや半導体レーザーの照明分野への応用が進んでいる。自動車照明分野も例外ではなく、それらの光源の特徴を活かしたヘッドライトで、運転の安全・安心へ貢献するだけでなく、自動車のスタイリングにも大きな影響を与えている。青色レーザーと、蛍光体を組み合わせることで、発光点が小さく、高輝度な白色光源が構成でき…
LEDの登場によってこれまで以上に照明に関心を持つ層が増えている。建築設備設計に携わる設計技術者、建築デザイナー、照明提案アドバイザー、企業の総務部などの省エネ推進担当者や一般消費者まで幅広い分野の方々に及んでいる。さらには照明とは直接関係のなかった産業分野のエンジニアや光応用分野など、多様な業態の…
一般照明用LEDの進歩はめざましく、発光効率は蛍光ランプを超えてさらに向上している。既存光源をLEDに置き換えるだけで省エネルギーを図ることができるため、照明のLED化が急速に進んでいる。LEDの進歩は、発光効率の向上だけでなく、演色性の向上や用途に応じたスペクトルの制御など、多岐にわたり始めている…
染色布を事例に
美術館および博物館環境において、展示照明の光は資料に対して劣化因子として作用するため、鑑賞に支障がない範囲で展示照明を制限すべく、照度や年間積算照度(露光量)に関する推奨値が各機関1)-5)から提案されている(表1)。また、これら推奨値は資料を構成する各材料の耐光性に応じて与えられている(表2)。実…
スマートハウスの構成要素の1つに、家庭用エネルギー管理システム(HEMS, Home Energy Management System)がある。その制御機能を概念的に分けるならば、家電・照明などの状態を直接操作する「自動制御」と、使用量見える化などを通じて行動変容を促す「間接制御」がある。HEMS …
不快グレアと照明環境の評価
夜間街路における視認性確保、特に対向者などの顔の見えは、安全上・防犯上の観点から極めて重要である。視認性を高めるには視対象輝度・背景輝度という適正光量の確保が照明要件としての優先事項となる。また、照明光色は雰囲気形成の重要要因であり、視認性との関わりについても検討が必要である。