景観に配慮してフェンスと電柱の色を決める
「グランドエクシブ那須白河」には、ゴルフコースのほか、会員制リゾートホテルやレストランなどがあり、年間約470万kWhの電力需要がある。「リゾートトラスト メガソーラー那須白河」の年間予想発電量は約200万kWhなので、約40%の電力需要を賄えることになる。もちろん系統連系しているため、メガソーラーの発電電力を直接、自社施設で使用することにはならないが、電力不足の中、地域でも電力需要の多い施設として、メガソーラーによる発電事業は大きな意味があるとリゾートトラストは考えている。
「グランドエクシブ那須白河」にあるリゾートホテル「エクシブ那須白河」のロビーには、メガソーラーの発電量やCO2削減量を表示するパネルを設置し、「リゾート施設が経営するメガソーラー」をアピールしている(図8)。今後、地域の環境教育の場としても、メガソーラーを活用してもらうという。建設工事中も地元の小学生の見学を受け入れた。
建設に際しては、リゾート施設の設計・施工を手掛ける企業にメガソーラーの設計を委託し、長期的な信頼性と共に、地域の自然に溶け込んだメガソーラーを目指し、外観の出来栄えも重視した。太陽光パネルとPCSは、長期信頼性を重視して実績のある国内メーカー製(パナソニックと東芝三菱電機産業システム)を採用する一方、基礎と架台に関してはホテル建築を手掛ける安井建築設計事務所に委託した(図9)。
鋼製架台は、すべての鋼材を工場でプレカットし、現場で組み立てる方式にして、施工効率を高めた(図10)。山間の木々に囲まれたメガソーラーのイメージを重視し、新設した電柱とフェンスは、こげ茶系のものを選んだ(図11)。色にこだわるとコストは若干上がるが、ホテル建物と同様、周辺の自然環境に合わせたデザインに配慮したとのことである。
「地域と連携した災害対応、そして自然との調和」に配慮したリゾートトラストのメガソーラーは、地域に根差したリゾート施設ならではの視点が数多く生かされている。
名称 | リゾートトラスト メガソーラー 那須白河 |
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発電事業者 | リゾートトラスト |
発電開始日 | 2014年3月3日 |
所在地 | 福島県西白河郡西郷村大字熊倉字下山22-1他 |
敷地面積 | 1万3200m2 |
出力 | 約2MW |
設計・監理 | 安井建築設計事務所 |
施工 | きんでん |
太陽光パネル | パナソニック製(多結晶シリコン型) |
パワーコンディショナー(PCS) | 系統連系時(1990kW)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、自立電源装置(2kW)は山洋電気 |