2013年6月に、安倍政権が「日本再興戦略」および「健康・医療戦略」で「データヘルス計画」を打ち出しました。具体的には、2015年度からすべての健康保険組合が、特定検診やレセプトの情報を活用し、加入者の健康づくりや疾病予防に取り組むことを厚生労働省が中心となって推進していくものです。今回は、データヘルス計画に対するBRMS活用の方法を考えてみたいと思います。

データヘルス計画を有効に実行するために

 厚生労働省によれば、データヘルス計画の骨格は「特定健診結果の把握」「レセプト病名と治療内容の関連付け」「特定健診およびレセプトデータの分析」からなり、(1)レセプト・特定健診データの活用による組合や事業所における全体的な健康・医療状況の把握と、保険事業の効果が高い対象者の抽出、(2)費用対効果を追求した保険事業の実施、(3)PDCAサイクルによるレベルアップ、(4)「松」「竹」「梅」の身の丈に応じた事業範囲、(5)外部専門事業者の活用、(6)加入者個人への情報提供とインセンティブ付与、(7)コラボヘルス(事業主との協働)という7つの大きな特徴を掲げています(関連記事)

 これに対し、データを意思決定に活用するための分析アルゴリズムやノウハウを提供するMBIの代表取締役である成田徹郎氏(元国際医療福祉大学大学院准教授)は、(1)健診データとレセプトデータの蓄積と分析、(2)被保険者への介入モデルの策定、(3)介入モデルのルール化、(4)経営管理モデルへの投入という4つの大きなステップからなるバランストスコアカード活用によるPDCAの管理が必要であると唱えています(図1)。

図1:データヘルス計画のPDCA管理
[画像のクリックで拡大表示]