全体で18.8MWの県内有数のメガソーラーに

 浅川町は、阿武隈山系の豊かな自然に囲まれた福島県中通り南部にある。江戸中期から始まった盛大な花火大会で知られる。毎年8月のお盆に数千発の花火を打ち上げ、中でも町を見下ろす城山で炸裂する大地雷火は圧巻で、3万人が見物に訪れる。「浅川の慰霊花火」とも言われ、かつて農民一揆で処刑された村人たちを悼み、僧侶が供養する。東日本大震災後には犠牲者の追悼も行い、震災の体験を後世に伝える行事ともなっている。

 「ガーデンバレイカントリークラブ」は1995年に開場した27ホールのゴルフ場だったが、東日本大震災や原発事故に伴う風評被害などによって経営不振に陥り、2012年8月に閉鎖された。ガーデンバレイ関係者が取引先を通じて、跡地利用に関してテンワスに相談した。テンワスは、跡地を調査してメガソーラー事業の収益性を評価し、浅川棚倉ソーラーパークプロジェクトと呼ぶ2つのメガソーラー建設計画を推し進めた。1つ目のテンワスソーラー浅川発電所のほか、隣接して2つ目の「福島県太陽光発電所」(出力16.8MW)の建設が進んでおり、全体で出力18.8MWとなる(図3)。

図3●建設中の「福島県太陽光発電所」(出所:日経BP)
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 すべて完成すれば、福島県でも有数のメガソーラーとなり、「浅川の慰霊花火」とともに、東日本大震災からの復興を象徴する浅川の名物になる可能性がある。