「医師だけががんを治す時代は終わった。さまざまな発想や技術を持った人の英知を結集して、日本発の新たながん治療を目指そう」――。

 2014年7月11日に東葛テクノプラザ(千葉県柏市)で開催された「C-square EXPO」。国内のがん研究をリードする国立がん研究センターが、千葉大学医工学フロンティアセンター、千葉県、千葉県産業振興センター 東葛テクノプラザと手を組み、地域のものづくり企業と協働して新たな医療技術の開発を推進すべく開催したイベントである。

 同イベントの仕掛け人の一人である国立がん研究センター東病院 大腸外科医長 内視鏡機器開発分野ユニット長の伊藤雅昭氏は、来場者の多くを占めたものづくり企業に向けて冒頭のように呼びかけた。さらに、本イベントをキッカケに「本当に医療現場で役に立つ医療機器の開発につなげたい。企業が持つ技術を臨床医にぜひ売りこんでほしい」(同氏)と語った。

3名の医師が臨床ニーズを発表

国立がん研究センター東病院 病院長の西田氏
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 イベントではまず、国立がん研究センター東病院 病院長の西田俊朗氏が登壇。千葉という地の利を生かした医工連携への期待を示した。「私自身は大阪の商工会議所などで進めている医工連携にも関わってきた。これに対して千葉は、首都から近く、東京大学などアカデミアの雄が立地している。さらに、先端的な病院も多く、この柏市ではスマートシティ計画のように街全体がイノベーティブな雰囲気にある」(同氏)。