BRMSの適用領域と運用体制

 このOnlife社のウエルネス管理プログラムにおいて、BRMSは会員に対する健康アセスメント、リスク検知、パーソナライズ化された推奨プログラム、行動と進捗のモニタリング、インセンティブプログラムの統制と自動化を実現しています。

 BRMSを採用する以前は、ビジネス部門がこれらのルールを主にスプレッドシート上で定義し、IT部門がそれをプログラミングするという一般的な方法が採用されていました。ところが、会員が増えていくにつれて、スピード(新しいサービスを市場投入するまでの時間)と多様化(新しい顧客に対するカスタマイズ)という2つの課題に直面しました。

 BRMSを活用することで、Onlife社のサービス企画チームと診療チーム(実際のビジネスルールを管理している部門)は、1カ月もかかることなく、ビジネスルールを整理して自動化することに成功しました。なお、BRMSはクラウド環境にて実装されています。

 採用されたBRMSは、ビジネスユーザーがルールを編集することを容易にするユーザーインタフェースを装備しているだけではなく、個々の会員に対するウエルネスプログラムに関するルール改善のための支援機能(What if分析、インパクト分析、KPI設定とその追跡など)も提供しています。

 将来的には、適用範囲を拡大していくとともに、採用したBRMSが提供するアナリティクス機能(大量の履歴データから相関分析などを通じて予測分析的なルールを導出する、会員の特性から最も有効な推奨プログラムに関するルールを発見する、など)の活用を推進していくようです。

注)Onlifeの事例は、米国Sparkling Logic社が提供しているケーススタディを参考にしています