ヘルスケア業界においても、新しいビジネスモデルを支えるテクノロジーの1つとして注目を集めている「BRMS」(ビジネスルール管理システム)。今回は、ウエルネス管理プログラムを通じたサービスを提供している米国の大手保険会社の子会社に焦点を当て、ビジネスの背景からBRMSの活用領域や運用形態を紹介していきます。

「オバマケア」で需要が急増

 米Onlife Health社(以下、Onlife社)は、米国テネシー州にある保険会社Blue Cross Blue Shieldの子会社であり、健康的な生活を通じて生活改善を支援するウエルネス分野の第一人者です。ウエルネスとは、世界保健機関(WHO)が定めた概念で、積極的に心身の健康維持や増進を図ろうとする生活態度や行動のことです。

 Onlife社は、Webポータルとマンツーマンの人的サービスを通じて、企業で働く従業員向けのウエルネス管理プログラムと健康プランを提供しています。ヘルスケアに関するコストは増加の一途をたどっています。ウエルネスプログラムの利点は、これらのコストを下げることに加え、企業で働く従業員の生産性向上をもたらすことにあります。

 2010年に成立した「オバマケア」と呼ばれる医療保険改革法によって、Onlife社のウエルネス管理プログラムに対する需要は爆発的に高まりました。このプログラムを支援するWebポータルにおいては、1秒間に数百もの健康に関するリスク判定や行動アドバイスを実行できる仕組み作りが喫緊の課題となりました。この領域に、BRMSが採用されたわけです。