防草シートの使い方を変える

 一方で、笠間太陽光発電所での経験を生かし、変えた部分もある。除草対策もその一つである。

 笠間太陽光発電所では、防草シートの上に、砕石を敷き詰める方法を採用した。砕石を上に敷き詰めることで、防草シートを固定し、さらに保護する役割を期待した。

 これに対して飯田太陽光発電所では、上に砕石を敷かず、防草シートのみにすることで、施工コストなどを低減した。防草シートが地表にむき出しとなるために、ビスを短い間隔で地面に打ち込んで固定した(図5)。

図5●防草シートはビスで固定
(出所:日経BP)
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 砕石を敷かなかった理由は、笠間太陽光発電所では、風で運ばれた土や雑草の種などが、砕石の間に入り込み、雑草が生えてきたからである。防草シートの上から、雑草が生えるのでは、採用する効果が薄れる。

 防草シートのままにしておけば、風で運ばれた土や雑草の種が溜まっても、洗い流して除去できる。防草シートは樹脂製のため、発電事業を続ける20年の間に劣化する可能性があるが、交換に要するコストは、砕石を敷くコストや除草コストに比べて安く済むと見込んでいる。

 太陽光パネルは、縦の列を2枚に抑えて設置した(図6)。縦の列を3枚にすると、風圧による荷重が増すために、よりコストの高い架台が必要になる。加えて、パネル上端が高くなり、施工や保守のコストが上がる欠点もある。また、コンクリート基礎ではなく、金属製の杭基礎を使って架台を支えることでも、施工コストを低減している。

図6●施工やメンテナンスコストを考慮し、太陽光パネルの縦の列を2枚に抑えて設置
(出所:日経BP)
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 発電量などの表示システムも改良した。PCSレベルで発電状況のデータを取得し、表示するもので、笠間太陽光発電所で使っている時間・月・年ごとの数値を表示するシステムに対し、飯田太陽光発電所では、これらのデータをグラフ化して一目でわかりやすく比較できるシステムに変えた。