解消には電力会社との綿密に相談を

 そして、電力会社やPCSメーカーなどと、綿密に相談して対応を決めるよう、助言しました。こうした場合、PCSの電圧上昇制限値を上げる、または、系統側の電圧を下げることで、出力抑制機能が過度に働かないようにすることもできます。いずれの手法も、実現するためには、電力会社との協議や、PCSメーカーの対応が重要になります。

 さらに、今回の出力低下の直接的な原因ではありませんが、連系分電盤から連系点まで接続する配線のうち、「構内架空線(DV22mm2)」の電線の容量が不足していることも発見しました。電線の容量不足は、発熱による損失の拡大や、最悪の場合、火災などを引き起こす原因になる恐れもあります。

 このため、構内架空線を、適切な太さの電線に変更するように助言しました。今回の調査では、太陽光発電システムは、施設の形態や立地している地域、設定値によって、思いもよらない出力の低下につながることを、改めて認識しました。

(次回は、7月31日(木)に掲載予定)