60GHz帯を使った無線通信仕様である「WiGig」。その相互接続認証プログラムを無線LANの業界団体「Wi-Fi Alliance」が2014年にスタートする。研究開発は進んでいたものの民生分野での活用がメドが立たなかった60GHz帯のミリ波通信だが、ついに普及に向けて光明が見えてきた。

 60GHz帯のミリ波通信をパソコンやスマートフォンなどの民生機器に搭載する動きが出てきた。無線LANの業界団体である「Wi-Fi Alliance」が、60GHz帯の無線通信仕様の一つである「WiGig」の相互接続認証プログラムを2014年末にもスタートする。WiGigは60GHz帯の無線LAN規格「IEEE802.11ad」をベースにした仕様注1)で、最大6.75Gビット/秒もの超高速無線伝送を実現する。認証プログラムのスタートを皮切りに、WiGig対応の機器が続々と市場に投入されると期待されている。

注1)Wireless Gigabit AllianceがWiGigのPHY(物理)層/MAC層の仕様をIEEE802.11委員会のTask Groupに提案。結果として、同仕様を採用した11adが2012年12月に規格化された。このため、11adがWiGigをベースにしているともいえる。

 60GHz帯を使った無線通信は機器間を数Gビット/秒で接続できる帯域として注目を集めながらも、民生機器の分野ではなかなか普及しなかった。無線技術としては“キワモノ”だった60GHz帯通信が、「Wi-Fi」という“本流”へと合流したことで普及の可能性が見えてきた。