それぞれの方式の長所・短所をまとめると次のようになります(図2)。

図2●3つの方式の長所と短所(出所:安田祐一郎氏)
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 (3)の匿名組合方式は、投資家が複数となるので、大規模なプロジェクトには適しています。なお、匿名組合出資を募集する際には、金融商品取引法の規制を受け、私募取扱業者の関与や、プロジェクトを管理するアセットマネジメント会社の関与が必要となり、費用負担の発生や資金調達までの手続きが煩雑になります。

 これらの資金調達でのおおよその調達利率は、(1)の場合は、事業会社の与信や金融機関の融資姿勢によって異なりますが、1~3%程度が一般的です。(2)や(3)の場合、(1)より手続きを要したり、返済原資がプロジェクトから生む資金に限定されリスクが高くなりことから、やや割高な調達利率になり3%前後が一般的な水準です。

 最後に、SPCを設立する場合、SPCの取引に課せられる消費税について、注意が必要です。通常、プロジェクト発生時にSPCは太陽光発電設備を購入し、EPC(設計・調達・建設)業者に設備本体価格に合わせて消費税を支払います。これらの消費税は申告時に還付を受けられますが、そのためには一定の要件や手続きが必要なケースもありますので、SPCを設立する場合には、税務の専門家と相談の上、プロジェクトを進行してください。