他の接続箱と、集電箱内の他のブレーカーについても、極性を確認したところ、極性はすべて合っていたものの、接続箱の番号と、集電箱のブレーカーの番号を照合すると、ここでも、すべて逆の順序で接続されていました()。

図●施工図面の接続箱の番号と、現地の接続箱の番号が、すべて逆の順序で設置されたことで、集電箱内のブレーカーの容量と不一致となり発電ロスに(出所:中部電気保安協会)
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 こうした場合、接続箱に接続されているストリング数が、すべて同じならば、集電箱内のそれぞれのブレーカーに流れる最大電流が等しいため、ブレーカーの番号の表示を接続箱の番号に合わせるように変更すれば、問題ありません。

 しかし、今回の例では、接続箱に接続されているストリング数が、他の接続箱5のみ少ない設計となっていました。このため、集電箱内のブレーカー5も、他のブレーカーに比べて、小さい容量のものが使われていました。

 今回、接続順を逆にしてしまったことで、その容量の小さいブレーカーに、想定より多い数のストリングが接続された接続箱から電流が入力されることになり、そのままでは、ブレーカーの容量が不足することになります。

 そこで、施工業者に、ブレーカー1とブレーカー5を入れ替えて、さらに、ブレーカーに表示した番号を、接続箱と合わせるようにお願いしました。

 もしも、ブレーカーの容量がすべて同じだと勘違いして、表示する番号のみを変更した場合、発電量が最大に達する前に、ブレーカーが開放してしまい、発電を妨げることになります。ブレーカー5の容量60Aに対し、接続箱1の最大電流80Aが接続されているためです。

 こうしたトラブルを防ぐために、施工図面を入手したら、配線やアース線の太さの規定値、それぞれの接続箱における開放電圧、短絡電流を調べて、竣工検査時に持参し、接続の間違いや、ブレーカーの容量の不足を見逃さないことが重要になります。

(次回は、7月2日(水)に掲載予定)