福岡での損傷から、より強固な落雷対策を追加

 積雪より発電量に影響したのは落雷だった。 福岡市サイトでは、2013年8月30日に、敷地の近隣に雷が落ちた影響で、高圧受電設備とPCS、計測監視システムなど、複数の関連機器が損傷した。

 メガソーラー内の設備に直接、落雷しなくても、発電設備が損傷することがあることは知られており、その対策を施していた。ただ、福岡市のメガソーラーでは、想定以上の電圧で落雷したために、送電線や通信線、接地用ケーブルなどを伝わって、設計値を超えた、高電圧が各設備にかかってしまったとみられる。

 福岡市のメガソーラーは、損傷した機器の修理や交換が完了するまでの約2カ月間、売電できなかった。PCSなど、短納期の対応が難しい機器についても、メーカーの配慮で復旧までの期間を短縮できたという。

 極東開発工業では、所有するすべての資産を企業財産総合保険の対象としており、こうした修理や交換の費用は、保険で対応した。

 落雷による発電設備の損傷の後、両サイトには、雷対策の専門企業で、コンサルティングや避雷器(SPD)の販売などを手掛ける音羽電機工業(兵庫県尼崎市)に被害状況の検証を依頼し、雷対策を強化した。

 具体的には、避雷導線や避雷器などを増設した(図5)。避雷器は、一定以上の電圧がかかると短絡することで、発電設備の損傷を防ぐ。

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図5●避雷導線や避雷器を増設
(出所:極東開発工業)