冬季の積雪地域でも発電量は極端に落ちず

 福岡市サイトの建設費が約4.5億円なのに対し、八戸市サイトは約4.9億円となった。自己資金のほか、太陽光発電設備の購入費用の1割を、太陽光発電協会(JPEA)からの助成で賄った。八戸市サイトの増額分は、積雪対策と造成費という。

 八戸市サイトで造成が必要だったのは、長期間手を加えていなかったために、森のように木が生い茂っていたからだ。

 発電を開始後、順調に発電を続けている。東北よりも九州の方が、日射量が多いイメージがあるが、両サイトの発電量は、ほぼ変わらないという。いずれも想定した発電量を上回っている。

 雪の影響は、想定より軽微だった。パネル上の積雪は、ほとんどの場合、正午頃までに溶けるという。ただし、パネルに積もった雪が凍りついてしまう日には、発電量が減るなど、積雪量よりも気温の高低の方が、発電量に大きく影響することがわかった。

 パネルの雪はあえて除雪しなかった。パネルを傷めるリスクを考慮したことと、発電量の減少による売電額の損失分よりも、除雪コストの方が高くつくと判断したからだ。

 冬の間、発電が止まった日は、電力系統が停電した1日だけだった。冬でも、発電量が極端に減ることはなかったという。