「凍上現象」の影響を受けない基礎

 八戸市のメガソーラーは、福岡工場内のメガソーラーの経験を活かしつつ、八戸市特有の気候条件などを踏まえて設計した。

 兵庫県を本拠とする同社にとって、まず、積雪や冬の寒さへの対応について、未知のことも多かったという。基礎や架台の選定、太陽光パネルの設置高や設置角だけでなく、雪解けまでの期間は建設できないなど、さまざまな制約と向き合った。

 北国には、寒気によって土壌が凍結して氷の層ができ、それが分厚くなる為に土壌が隆起する「凍上現象」が起こる。土地が隆起した状態では、設計通りに発電設備を設置できない。

 基礎は、この凍上現象による影響を、架台や太陽光パネルに与えないものにしなければならない。そこで、電柱を設置する方法を応用して、深さ約150cm、地上高さ50cmのコンクリート基礎を作成した(図2)。

図2●地中に深さ150cmまで基礎を築いて冬季の土地の隆起の影響を防ぐ
(出所:日経BP)
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 建設地周辺では、年によっては50cm前後まで雪が積もる。この積雪の高さと、重さによる耐荷重性を満たすために、太陽光パネルの底部の設置高は1m、設置角は20度とした(図3)。これに対して、福岡では設置高は約60cm、設置角は10度とした。

図3●積雪に備えて、太陽光パネルの底部の高さは1mに
(出所:日経BP)
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 2013年~2014年にかけての冬は、例年よりも多い約60cmまで積もる日があったが、高さを1mにしたために、地面に積もった雪がパネルに影響することはなかった。