大型太陽光システムでの起業を支援

 5月21日、福島空港にある多目的会議室で、太陽光発電事業に関する入門セミナーと、県が新たに創設した補助金制度の説明会が開かれた。約50人が参加し、説明会の後、福島空港メガソーラーを見学した(図9)。説明会はその後も開催し、延べ約200人が参加予定という。実際に補助金制度を受けるには、説明会とは別に県が実施する「太陽光発電起業講習」を受講することが条件になる。

図9●5月21日開催した地元企業を対象にした説明会(出所:日経BP)
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 「福島県は住宅用を手掛ける事業者はいても、野立てに建設する大型システムを建設できる事業者がほとんどいないのが実情。建設事業者の多くは、復興事業が忙しく、太陽光まで手が回らない。福島空港メガソーラーでアピールしつつ、補助金制度も活用して、大型システムを建設できる企業を育てたい」と佐々木課長は言う。

 一方で、福島空港メガソーラーは、産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所と連携して、実証実験を進める“研究施設”の役割も担う。具体的には、30種類のパネルの特性比較などを通じ、「地域に最適な太陽電池」「地盤や気象条件などに合わせた架台・施工方式」「事業収益を最大化するための保守管理体制」などを究明し、地元事業者に技術移転する計画だ。

●施設の概要
名称福島空港メガソーラー
住所福島県石川郡玉川村大字北須釜字懸金沢16番地(福島空港)
出力約1.2MW(福島空港北発電所500kW、ソーラーパーク169kW、追尾型太陽光システム22.5kW、福島空港南発電所501kW)
発電事業者福島発電(福島市)
総事業費約4億円(県民参加型ファンド1億円)
EPC(設計・調達・建設)ユアテック
太陽光パネル(ソーラーパーク)伊藤組モテック、トワダソーラー、エスパワー、GMG、三菱電機、京セラ、パナソニック、カネカ、フジプレアム、シャープ、長州産業、ジャパンソーラーファクトリー、東芝、ソーラーフロンティア、カナディアンソーラー、インリーグリーンエナジー、アップソーラー、ソプレイソーラー、トリナ・ソーラー、ハレオンソーラー、レネソーラー、トッパーサン、デルソーラー、ソーラーワールド、モーザーペア・ソーラー・リミテッド、LS産電、ハンソル・テクニクス、RECソーラー、イソフォトン、サンエジソン
架台奥地建産、日創プロニティ、AGCマテックス、セテック、大日本木材防腐、SUS
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、田淵電機、オムロン、KACO
竣工日2014年4月14日
■変更履歴
5ページ目第2段落で「一口100万円」としていましたが、「一口10万円(一人10口・100万円まで)」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/6/11]
■変更履歴
3ページ目2段落本文で「三英のグランドスクリュー基礎用アルミ架台、AGCマテックスの傾斜角可動式架台(図5)とFRP(繊維強化プラスチック)架台、奥地建産の木製架台(図6)の4タイプ」としていましたが,「SUSのグランドスクリュー基礎用アルミ架台、セテックの傾斜角可動式架台(図5)とAGCマテックスのFRP(繊維強化プラスチック)架台、大日本木材防腐の木製架台(図6)、奥地建産の鋼製架台の5タイプ」です。図5の説明文で「AGCマテックス」は「セテック」、図6の説明文で「奥地建産」は「大日本木材防腐」です。施設の概要の「サンエンジン」は「サンエジソン」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/6/12]