県民参加型ファンドで1億円を調達

 全体の傾向としては、「変換効率の高いパネルは、設備利用率も相対的に高い。おおむね価格に見合った設備利用率になっている感じだ」と、佐々木課長は言う。国内ブランドの製品は、総じて設備利用率で上位にあるが、海外メーカー品も引けを取らないものが多いという。東芝サンパワーコーポレーション製の太陽光パネルとTMEIC製のPCSを設置した「北発電所」は、ソーラーパークのトップクラスに匹敵する設備利用率だという(図8)。

図8●東芝サンパワーコーポレーション製太陽光パネルとTMEIC製PCSを設置した「北発電所」(出所:日経BP)
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 福島空港メガソーラーのもう1つの特徴が、資金調達だ。福島県は、市民や民間企業が参加した形で再生可能エネルギーを普及させる方針で、同メガソーラーも、その趣旨に沿って資金を集めた。発電事業体として設立した福島発電(福島市)は、資本金(9850万円)を福島県と県内自治体のほか、県内の金融機関、企業からの出資で賄った。総事業費4億円のうち1億円は、県民参加型ファンドにより調達した。金利1%で一口10万円(一人10口・100万円まで)の債権は購入者を県民に限定したが、販売開始から1カ月で完売した。残りの2億円は地元金融機関からの融資で賄った。また、北発電所の設備は東芝の寄付によるものだ。