網目状の配線がアンテナのような役割

 早速、現地でAMラジオのノイズ調査を実施しました。その結果、ノイズが発生している場所は、この工場の敷地とその外周道路で、発生している時間帯は、夜間や雨天時を除いた日中であることがわかりました。

 そして、このノイズは、PCSの運転と同時に発生することが分かり、太陽光発電システムが原因で、自動車のAMラジオが受信障害を起こしていると断定しました。

 一刻も早くノイズを抑えるため、施工業者とPCSメーカーに調査を依頼しました。その調査の結果、意外なことがわかりました。

 折板屋根の屋上に水平に設置した大量の太陽光パネルの内部の配線が、発生源が不明のノイズを拾ってしまうというのです。太陽光パネルには、配線が網目状に張り巡らされているために、配線がアンテナのような役割を果たし、ノイズを拾ってしまう可能性があるとのことでした。

 こうして拾われたノイズが、太陽光パネルからケーブルを伝わってPCSに入り、PCSから昇圧設備、昇圧設備から電力会社の送電線へと流れ、工場敷地の外周道路でAMラジオの受信障害を引き起こしていました。