低い出力のストリングに合わせてパワコンが動作し、出力をロス
まず想定されるのは、太陽光パネルの発電能力を十分に引き出せなくなることです。直列で接続された太陽光パネルの枚数が異なることによって、最大の電力量を引き出せる電圧が異なるストリングが混じってしまうためです。
この理由は、パワーコンディショナー(PCS)が、ストリングの出力に対して、電流と電圧を最適に制御し、最大の電力量(電力点)になるように制御していることにあります。
直列で接続された太陽光パネルの枚数が不揃いなために、ストリングごとの最適動作電圧が異なっている場合、PCSは、直列に接続された太陽光パネルの枚数が少なく、最大電力点が低い電圧のストリングに合わせて制御します。
これによって、他のストリングもすべて、低い出力のストリングの最適動作電圧で出力することになってしまい、出力のロスが大きくなります(図2)。
また、設計図面通りに施工されていないために、太陽光パネルに漏電などのトラブルが生じた場合、その探査に必要以上の時間を要することも想定されます。
こうした理由から、竣工検査において、太陽光パネルのストリングの構成、配置が設計図面通りに施工されているかどうか、確認することが重要です。