1ストリング10枚のはずが、9枚や11枚に

 こうした場合、中部電気保安協会では、戸上電機製作所製の太陽光パネルの故障探査器「セルラインチェッカー」を使って、太陽光パネルの不具合やストリングの回路構成を探査しています。

 しかし、今回紹介した竣工検査の際には、協会内でセルラインチェッカーの使用が集中していた日と重なっていたために、持参していませんでした。このため、目視によって、太陽光パネルの接続の状況を検査しました。

 その結果、ストリング1は、設置された太陽光パネルのうち、1枚の接続が忘れられており、直列で接続された太陽パネルの枚数が、1枚少ない9枚となっていました。

 また、ストリング3に接続されるはずの太陽光パネルのうち、1枚がストリング2に接続されていました。このため、ストリング2の直列で接続された太陽パネルの枚数は、1枚多い11枚に、ストリング3は1枚少ない9枚となっていることが判明しました(図1)。

図1●ストリング1~3は、太陽光パネルの接続数を誤って構成し、開放電圧に異常
(出所:中部電気保安協会)
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 この事例では、すぐに施工業者が接続工事をやり直しましたが、もし、ストリングごとに、直列で接続された太陽光パネルの枚数が不揃いのまま、系統連系していたとしたら、どういった弊害が生じるのでしょうか。