草津線への反射を考慮し、パネルは防眩加工

 石部ソーラーは、北は国道1号線、東は自社のアスファルト工場、南はJR西日本の草津線の線路、西は宮川に囲まれている(図4)。敷地の中央には、滋賀県湖南市岩根から栗東市上砥山を結ぶ計画の国道1号バイパス「栗東水口道路」が横切っている。

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図4●昭建石部ソーラー発電所
自社のアスファルト工場内にあり、国道1号線、JR西日本・草津線、宮川に囲まれ、メガソーラーの中央には、栗東水口道路が横切っている。(出所:上は昭建、下は日経BP)
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 こうした立地から、JR西日本からは、草津線への太陽光パネルによる反射への対応を求められ、防眩加工を施した太陽光パネルを採用した(図5)。

図5●目の前を草津線が走ることから、JR西日本の要望で防眩加工した太陽光パネルを採用
(出所:日経BP)
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 関西電力の送電網には、国道1号線沿いの近隣で系統連系でき、連系費用は約60万円で済んだ。力率制御の制限はなかった。2013年2月に売電を開始して以来、年間予想発電量の約170万kWhに対して、実績は約221万kWhと大幅に上振れした。

 いくつかのトラブルもあった。2013年9月に上陸した台風18号の雨によって、宮川の水位が上昇し、コンクリート基礎の上部付近まで浸水した。発電自体に影響はなかった。この浸水の後、国土交通省がバイパスの下の浸水を防ぐため、バイパス下に貯水池を建設し、同じように浸水した場合、水が流れ込むようになった。

 冬には、想定外の積雪があった。積雪地帯ではないため、雪に対する本格的な対策は施していない。そこに、約20cmの積雪が2回あり、パネル全面が雪で覆われたことで、丸一日発電しない日があった。