全面舗装でコストを低減できる理由

 アスファルト舗装の利点は、太陽光発電設備の施工が容易になり、建設コストを低減できること。加えて、稼働後には、地盤の沈下を防ぐ上、雑草の育成を抑え、維持管理コストを低減できるという。

 施工性が向上するのは、アスファルト舗装によって、敷地全面が平坦になるため、雨天時にも安定的に施工でき、運搬や移動が効率的になるからだ(図2)。

図2●アスファルト舗装しているために、道路工事のようにチョークで位置を示し、効率的に設置できる。写真は昭建柏原ソーラー発電所
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 コンクリート2次製品による基礎はフォークリフトで、太陽光パネルはハンドリフトで、いずれも作業員1人で設置位置まで運べる。舗装しない一般的なメガソーラーでは、二人一組で太陽光パネルを手で持って運ぶ。重機が機動的に使える分、関連資材の搬入作業が容易になる。

 台車に工具や備品を載せて、移動しながら順に、工場の流れ作業のように設置できることも、工期の短縮や精度の高さにつながる。京セラソーラーコーポレーション製のインレイ式架台を採用したことで、太陽光パネルの列ごとに、パネルをふすまのようにスライドさせながら所定の位置まで動かし、上下2カ所をボルト締めして固定できる。

 舗装すると同時に、側溝を設けて排水するようにしたため、雨天時にも水はけが良く、晴天時に近い施工性を確保できる効果も大きい。土の上に直接、架台を建設するメガソーラーでは、一般的に雨の後は1~3日間、工事できないこともある。