滋賀県の土木を中心とする地方ゼネコン(総合建設会社)の昭建(滋賀県大津市)は、滋賀県湖南市に「昭建石部ソーラー発電所」(以下、石部ソーラー)、滋賀県米原市に「昭建柏原ソーラー発電所」(以下、柏原ソーラー)という、二つのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設した。

 出力規模は、それぞれ約1.811MWと約1.995MWになる。「二つのメガソーラーを合わせた年間の予想発電量は、当社が1年間に消費している電力の約3分の2に相当する」と、昭建の山川 守社長は言う。

 昭建のメガソーラーには、大きく二つの特徴がある。敷地全体をアスファルトで舗装したこと(図1)、太陽光発電システムの電圧を1000Vで構成したこと。いずれも建設コスト、運用コストの両方を低減するために採用した。

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図1●全面をアスファルト舗装した。写真は昭建柏原ソーラー発電所
(出所:昭建)
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 2MWクラスのメガソーラーで、こうした仕様を採用するのは珍しい。昭建の千廣友次常務・ソーラー事業部長は、「当社はアスファルト事業でも、他社の2倍の規模の工場や、先進的な製造プロセスを導入するなど、元々、挑戦的な試みに積極的な気風がある」という。

 投資額は、「石部ソーラー」と「柏原ソーラー」ともに、一般的なメガソーラーの1MW当たりの建設費4億円前後に比べて、低めに抑えた。

 中堅企業によるメガソーラー事業では、億円単位になる事業資金の調達が壁になることが多いが、同社の場合、自己資金で賄ったという。出力当たりの初期投資を抑えたこともあり、約8年間で回収できる見込み。