太陽光発電用の架台で奥地建産(大阪府松原市)が快走している。2011年3月期に55億1000万円だった売上高は2014年3月期には108億円と3年で約2倍に(図1)、同じ期間に売上総利益(粗利)は5億6000万円から12億9000万円へと2.3倍に増えた(図2)。業績を押し上げたのが太陽光発電用の架台である。
創業は1964年で、もともとは内装天井材や間仕切り材など、プレハブ住宅用の金属製品を主力としてきた(図3)。薄板など鉄鋼部材を仕入れて加工し、積水ハウス、大和ハウス、パナホームをはじめとする住宅メーカーに納入してきた。
太陽光発電用の架台を初めて手掛けたのは2002年。ある大手パネルメーカーから住宅用太陽光パネルの設置架台の製作を依頼された。それまで仕入れていた架台に手を焼いている様子が見て取れた。
架台は、まず一定の幅に切断した薄板を正確に曲げて長尺の構造部材に加工し、これをボルトで組み立てる。1つ1つの部材はごく単純に見えるため、板金加工業者なら誰もがつくれると思われがちだ。だが、部材を加工できても架台は完成しない。